仙波清彦が解き放つ、究極のソニック・リズム
SEMBA SONIC SPEAR待望の1stアルバム『SONIC SPEAR』が遂に完成!!
洋・邦楽の分野を問わず、幅広い音楽性を持って国際的に活躍している
異彩の打楽器奏者・仙波清彦が解き放つ、衝撃派音的リズムが今ここに証される。
アフロ〜エレクトロニクス〜ダブ?!ジャンルの枠を飛び越えた音を体感せよ!

SEMBA SONIC SPEAR
1st Album
「SONIC SPEAR」


2003年2月10日発売
3D-3 / ¥2,300(税込)
制作・発売:スリー・ディー(株)
販売:(株)ブリッジ

1 Goorgui Fethieu ゴルギィ・フェチュ/ 5'18"
2 Mbolo エムボロ/ 6'31"
3 Hadji アジ~pilgrimage~ / 5'45"
4 Mansa Dub マンサ・ダブ~the king of dub~ / 5'13"
5 Khoumbeul フンバァル/ 3'55"

♪Sample MP3 'Goorgui Fethieu'

SEMBA SONIC SPEAR... UNIT SEMBAあらため、SEMBA SONIC SPEAR!
佐々木 敦(HEADZ)  野田誠司 
ここにいるのは、まったく新しいSEMBAであると、まずは言い切ってしまおう。
 もちろんSEMBAはこれまでだって何度となく変身を繰り返してきた。いや、そもそも彼の音楽家としての長く錯綜したキャリア自体、ある意味では過去の自分自身に対する華麗なる裏切りと決別の連続であったとさえ呼んでもいいかもしれない。
 邦楽囃子方の家元の跡継ぎとして生まれ、幼くして歌舞伎の世界に入り、数多くの舞台を踏んだ彼は、しかし伝統の枠組みだけに留まることなく、やがて日本を代表するフュージョン・バンドTHE SQUAREのメンバーとしてポピュラー音楽シーンに姿を現した。ヨーロッパの前衛ロック界に衝撃(笑激?)を与え、のちにジム・オルークを虜にした坂田明率いるWahahaや、坂本龍一の傑作アルバム『左うでの夢』への参加などを経て、前代未聞の40人編成(のちに71人編成にまで拡大!)による和洋折衷のビッグ・バンド、はにわオールスターズを旗揚げ、以後、オレカマ軍団、はにわちゃん、HANIWA、はにわ隊など、名称と規模を自在に変更しながら、旺盛なライヴ活動を展開、並行して国内外の異様に幅広いジャンルにまたがるアーティストたち(ビル・ラズウェルから三波春夫まで!、平幹二郎からポンキッキーズまで!)と、さまざまな形で共演を果たしてきた。ここでは到底紹介し切れない、そのスゴさは是非ともSEMBAのホームページ→http://www.3-dcorp.com/SEMBA/を参照してほしい。
 20世紀も残り僅かとなった99年、彼は80種類ものパーカッションをひとりで多重録音した完全なソロ・アルバム『SEMBA〜リズムのこづち〜』を発表、これと前後して、5人編成のニュー・バンドUNIT SEMBAを結成した。2000年にはヨーロッパ・ツアーも敢行したUNIT SEMBAは、国内のクラブにもたびたび出没するようになり、一部の早耳の連中の間で噂が噂を呼ぶ中、またもやバンド名をSEMBA SONIC SPEAR(SSS)に改めて、遂に放たれたのが、この『SONIC SPEAR』というわけである。
 まず何と言っても驚くべきは、サウンド・プロデュースに高井康生を起用していることだろう。伝説のプレ音響派ユニット、アステロイド・デザート・ソングス(ADS)の元メンバーであり、現在はAHH! FOLLY JET名義でソロ活動を行う一方、デート・コース・ペンタゴン・ロイヤル・ガーデン(DCPRG)のギタリストとしても知られる高井は、ヒップホップ〜音響派以降のテクニックとセンスを併せ持った、新進気鋭のプロデューサーでもある。なによりSEMBA自身が、沢山のミュージシャンの変身を演出してきたベテラン・プロデューサーであるのだから、ここで高井に任された役割は、SEMBAにとっては一種の賭けであり、高井にとっては相当なプレッシャーであったのではないかと推測される。
 だが結果として、この起用は圧倒的にスリリングな成果を上げている。SSSはパーカッション×3にエレキ・ベース+コントラバスという、基本的にリズム隊のみの編成だが、彼らの縦横無尽にして変幻自在にして疾風怒濤にして自由闊達な演奏を、高井は(ほとんど掟破りの?)奇抜で斬新なアイデアを大量に投入した、創意溢れるプレ/リアルタイム/ポスト・プロダクションによって、レコーディングという固定的なフォーマットへと見事に落とし込んでいる。
 それはしかし、いかにもな実験性やアヴァンギャルディズム、あるいは単なるクラブ・ミュージック的意匠とは完全に一線を画している。打楽器とは本質的にヴァイタルでフィジカルなものだが、そこに渦巻くエネルギーを失わないまま、いかにして人工的な録音物としてのユニークネスを獲得するか、という困難きわまる挑戦が、ここでは試みられているのだ。DJ QUIET STORMによるスクラッチや、DCPRG/東京ザヴィヌルバッハの坪口昌恭のトリッキーなキーボード、そして全編に導入されたサウンド・エフェクトやエレクトロニクスなどが、SSSの奔放なプレイと渾然一体となり、過剰なまでにインヴェンティヴでイノヴェイティヴなサウンドが誕生した。リズム・サイエンスと、オーディオ・サイエンスとが、全5曲のトラックの中で出会い、戯れ、融合し、より高次のミュージカル・サイエンスへと変成を遂げている。端的にいって、こんな音楽はかつてなかったのではあるまいか?
もう一度言い切っておこう。ここにいるのは、まったく新しいSEMBAである。
「UNIT SEMBA のレコーディングしないんですかぁ〜」と仙波さんのマネージャーさんに言ってもう大分経ったと思う。僕のメルマガでUNIT SEMBA「骨盤クラッシュ」ライヴの凄さを何度も何度も書き続けてきたものだが、ライヴに来られない読者さんに音源が届かなければ、書いた意味は半減してしまう。
が、とうとうその全貌がスタジオ録音としてアルバム化される。
そのダイナミズムは、現在のキング・クリムゾンを凌ぐものがあったUNIT SEMBAだったが、SEMBA SONIC SPEAR とあらためてスタジオで録音された音は、ライヴとは違った、ある意味洗練された違った側面が浮き彫りになり、それがまた凄い。
 「骨盤クラッシュ」シリーズのライヴは、ほとんど観させて頂いたのだが、都度、新しいリズム・パターンやエレクトロニクスの導入、ラティールのヴォイスを全面に出すなど絶えず新境地を見せ、前回とまったく同じことはしないかのように、その音の渦を変化させていった。
正直言うと「レコーディングしないんですか?」などと言いつつ、ライヴでのダイナミズムをCDに収めるの絶対に不可能だろうとも思っていたので、アルバム・リリースの連絡を受けたとき、不安があった。あれは、ライヴと同じPAの環境でこそ体験できるものだからだ。
しかし、音響系の高井康生をプロデューサーに迎えたことで、ライヴとは違った音でレコーディングできること、それは、緻密で繊細な隠れた音を浮き彫りにすることなのだが、リズムの展開は、UNIT SEMBAでありながら、やはり、SEMBA SONIC SPEAR とバンド名を変えたことがしっくりとくるような、細部の音を聴く楽しみが加わった。
マハビシュヌ・オーケストラやリターン・トゥ・フォーエヴァーのレコードを最初に聴いたときと同じような戦慄を覚えるアルバムに出来上がっている。こいうアルバムで一気に聴き通せてしまう、「もっと聴きたい」と思うようなサウンドは本当に久しぶりである。
それは、かつて存在しなかったようなサウンドであり、リズムの変化が中心だった「骨盤クラッシュ」とあきらかに違う、エレクトロニクスの導入は、ラティールのアフリカン・ヴォイス=極めてアナログな人間の肉声によって、中和されるため、あきらかにクラブ・ミュージックとは一線を引いたものになっているし、基本リズムは打ち込みでなく生の演奏だ。それが、このアルバムを新鮮で斬新なものとしているのだと思う。
本当は、こういう展開を「真にプログレッシヴ」というのだ。お決まりの変拍子やシンフォニックでお茶を濁したサウンドは、70年代の焼き直しでしかない。仙波清彦の音楽は、21世紀の前衛である。しかも、万人に聴きやすいものでもある。それが、伝統お囃子の小鼓奏者でもある仙波清彦の血に流れる、極めて人間的な人柄の現れでもあるのだと思う。
前衛的でありながら、その鼓動は体内に流れる血を揺さぶるもの。
それが SEMBA SONIC SPEAR の音楽である。買って聴かないことは、あなたにとって大きな損失だと思う。まずは、聴くべし。
もちろん、UNIT SEMBA で同じみのリズム・パターンも後方でしっかり流れています。ファンが離れていくような変化ではありません。
なお、2000年1月29日(土)青山CAYにて行われたUNIT SEMBA骨盤クラッシュ!ライヴ Vol.1の僕の書いたレビューが仙波さんのオフィシャル・ホームページに掲載されております。もう、3年近く前なんですねぇ。
身ごもってから3年経って生まれた子(アルバム)は、お腹の中で成人していたのでした。

1. Goorgui Fethieu
Drums Kiyohiko SEMBA
Contra bass Benisuke SAKAI
Electric bass Nobuo NAKAHARA
Percussion &Vocal Latyr SY
Percussion Takayuki YAMADA

2. Mbolo
Drums Kiyohiko SEMBA
Contra bass Benisuke SAKAI
Electric bass Nobuo NAKAHARA
Percussion &Vocal Latyr SY
Percussion Takayuki YAMADA
Electric Piano Masayasu TZBOGUCHI
Scratch DJ QUIETSTORM
Electric guitar Koki TAKAI

3. Hadji ~pilgrimage~
Drums Kiyohiko SEMBA
Contra bass Benisuke SAKAI
Electric bass Nobuo NAKAHARA
Percussion &Vocal Latyr SY
Percussion Takayuki YAMADA
Electric guitar Koki TAKAI

4. Mansa Dub ~ the king of dub~
Drums Kiyohiko SEMBA
Contra bass Benisuke SAKAI
Electric bass Nobuo NAKAHARA
Percussion &Vocal Latyr SY
Percussion Takayuki YAMADA
Programming Shigeki NAKAMURA

5. Khoumbeul
Drums Kiyohiko SEMBA
Contra bass Benisuke SAKAI
Electric bass Nobuo NAKAHARA
Percussion &Vocal Latyr SY
Percussion Takayuki YAMADA
Electric guitar Koki TAKAI
ARP2600Synthesizer Koki TAKAI

All music by SEMBA SONIC SPEAR
*1,2,5 with Koki TAKAI
All music arrangement by Koki TAKAI
All Lyrics by Latyr SY

SEMBA SONIC SPEAR are:
Kiyohiko SEMBA
Benisuke SAKAI
Nobuo NAKAHARA
Latyr SY
Takayuki YAMADA


Guest Players:
Masayasu TZBOGUCHI
DJ QUIETSTORM
*appears courteousy of 中目黒薬局

Producer : Koki TAKAI
Executive producer : Ichiro OKA
Recording engineer & programming : Toyoaki MISHIMA
Mixing engineer : Takeshi SUGIMOTO (Think sync Integral Co.,Ltd.)
Recorded & Mixed at 3-D STUDIO
Mastered at Memory-Tech STUDIO

Art Direction&Design : TSUJIKAWA
Photographer : 友
Artist Management : Misa YOSHIO
Instruments care : kengo GUNJI